『話してくれてありがとう。』
いじめにまつわる悲しい事件・情報を耳にするたび、胸がしめつけられるような痛みを覚えます。
親御さんにとっては、わが子への思いの強さを考えると、その比ではない苦しみ・痛みであろうと思います。
もちろん、当事者である子どもの苦悩はどれほどのものでしょう。

あのときどうして、気づいてあげられなかったのだろう。
もっと話をしていれば。
自分を責める気持ち、後悔の念と同時に、親や大人たちは
こうも思います。

「どうしてもっと早く打ち明けてくれなかったのか。」
「一人で苦しませず、助けてあげることができたのではないか。」


あるとき、そんな話を友人としていると、その友人からこんな話を聞きました。

その友人の子どもは、ある時期にいじめを受けていたのだそうです。
いつも明るく、正義感も強く、人に優しく。
まわりを楽しませたり喜ばせることが好きなお子さんです。
それが、ある時期を境に、その明るさが「空元気」のように見え、
みんなでいるときは笑顔でも、部屋に入るとため息をついたり、
ぼーっと何か考え事をしているような様子が見られるようになったそうです。

その様子が気になった友人は、何度となく
「調子が悪いの?」「元気がないようだけど、何かあった?」
と、声をかけました。
でも、その度に子どもは「なんでもない」「体育でちょっと疲れただけ。」と、何事もなかったかのように、笑顔で答えたそうです。

それから何日かして、友人は、別のお子さんのお母様から、
どうやら友人の子どもがいじめにあっているらしいとの話を聞かされました。
家に帰ってから子どもにそのことを尋ねると、目に涙を浮かべて、
それでも、
「いじめられてるんじゃない。けんかをしただけだ。もう仲直りしたから大丈夫。」
と、かたくなにいじめについて認めようとはしなかったといいます。

友人はなおも問い詰めました。
「悩んでるならお母さんに話して。どうして言ってくれないの?最近様子も変だし、誰かにおどかされたりしてるんじゃないの?」
子どもは首を横にふります。

釈然としないながらも、友人は、話をやめました。

次の日、学校に送り出した友人は、一度も自分の目を見ようとしない子どもに
不安な気持ちでいっぱいになりながら、自分もどうしていいかわからないまま、
家の中を掃除し始めたそうです。

すると、子どもの部屋に、自分宛の手紙がありました。

そこには、
・自分がいじめにあっていること
・その原因が、自分の軽はずみなからかいで傷つけてしまった友だちからのしかえしであること
・自分に負い目があるから、いじめをやめてほしいと言えないこと
・いじめのことを話すと、(最初に友人をからかった)自分の話をしなくてはいけないので言いたくなかったこと
・そのことで、親にがっかりされたり叱られたくないと思っていること
・でも、昨日の夜、お母さんが真剣に自分を心配してくれて嬉しかったこと
・今日、勇気をもって友だちに謝って許してもらおうと思っていること
そういった内容が書かれていたそうです。
その文面の端々から、「親の期待する自分にそむきたくない(そむいたことを認めたくない)」
という気持ちや、「そんな自分に自信を失いかけている様子」が強く感じられ、
友人は、いじめそのものの事実と同じくらい、自分たち親への必死の思いで追いつめられていたのか
と驚きました。
そして、(だから、親に目の前で失望されたり叱られたりしたら、自分を支えられないと思ったんだ。)
と、子どもの思いに気づいたそうです。

放課後、いつもより少し遅く家に帰ってきた子どもは、今までに見たこともないくらい緊張した顔つきで、足早に部屋へ向かおうとしたそうです。

友人は、言いました。

母「○○(子どもの名前)、お帰り!手紙読んだよ。」
子「・・・」
母「話してくれて、ありがとね。」「お母さん、すっごく嬉しかった。○○の気持ちがわかって、本当によかったよ。ありがとね。」

すると、子どもは目にぶわーっと涙を浮かべてしゃくりあげながら、
「ごめんなさい!!」
と謝り、堰をきったように、今までのできごと、自分の思い、今日のこと・・・
泣きながら友人にすべて話したそうです。

その後、このいじめ問題が解決するまでには1ヶ月近くかかったそうですが、
子どもの表情は、見違えるほど変わってホッとした、と、友人は話してくれました。


親が、自分の弱さもひっくるめて認めてくれた・味方でいてくれる安心感は、
どれだけ勇気を与えたことかと思います。
子どもが、親に何かを打ち明けるというのは、大人が思っている何倍・何十倍の勇気がいることでしょう。
自分の子ども時代を思い返しても、思い当たることがいくつもあります。
子どもがその壁を打ちやぶって、親に何かを打ち明けようとするには、
親の姿勢に、どんなことでも「言ってくれてよかった」というものを感じられることが
大切なのかもしれません。

大人として子どもの話を聞くとき、ついつい、話の内容を「ジャッジする」姿勢で、
時には、アドバイスしてやろうという前提で聞いてしまうことがありますが、
まず、話し手が「勇気をもって言ってよかった」と思えるように、
「話してくれてありがとう。」「聞いてよかった。」の姿勢から入りたい。
自分の感情として聞くのではなく、相手の思いに寄り添って話を聞こう。

そして、子どもが追いつめられてしまう前に、「勇気をもって話してみようと思える大人」で
ありたいと思うこのごろです。

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親に感じる安心感
子どもにとっては何より一番ですよね。

またまた気付きを頂きました。
ありがとう。keroriさん!
ありがとう。友人の母子さん! 素晴らしいです!
そして、よかったですね。
【2008/06/05 22:23】URL | NLPapa安徳 #-[ 編集]
本当によかったです。
NLPapa安徳さん

温かいコメント、こちらこそありがとうございました!

私も、この話を聞いたとき、多くのことに気づかされました。
子どもの切実な思いにも衝撃を受けましたし、
母親である友人の愛ある対応とその後に
(本当によかった!)と、心から安堵しました。

親に感じる安心感。
本当に大切なものですね。

【2008/06/06 13:32】URL | kerori #-[ 編集]















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kerori

Author:kerori
人と話すことが大好き。10年にわたり、子どもたちに英語を教えた経験をもっています。

ふと気づいたら、周りには”働くママ””新米ママがたくさん!
そんな、”きらっと光る”がんばるママたちの応援ができればいいな。ママたちが、一人でも多く元気になると嬉しいな。
そんなことを考えるこのごろです。

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